海...これもつらい。 かつらを水につけなければよいと思われるかもしれないが,波があるとそうもいかないのだ。それに海って,だいたい都心より風が強い。 一度困ったのは,肌寒かったから水着の上にTシャツを着ていた時のことだ。 もう海に入らず帰ろうと思っていたが,相手の子はそうはいかなかった。 どうしても帰る前に一度海に入りたいという。 ということはだ,Tシャツを脱がないと行けないのだ。人前で。 Tシャツ脱ぐために更衣室に行くのはどうみても不自然だろう。 注意を払いながら,脱ぎましたよ。かつらを引っかけないか,どきどきものだ。 ビキニのコには弱い。 ホテルに行くときはどうするか 決まっているじゃないか,部屋の電気を暗くするのだ。 あとは絶対に頭を触らせない。 手を伸ばしてきたら,無理矢理押さえつける。 シャワールームへは先に入ってもらう。 出た後は裸でいるか,備え付けのガウンだけ着ている。 これでOKだ。 ことが済んで,シャツを着るときは問題ない。 相手の子だって自分の服と化粧を直すのに精一杯。 こちらを見ている余裕はない。 もし余韻に浸ってこちらを見ているようなら一言言えばいい。 「あと10分しかないぞ」 トラブルはまだあった。 初詣に出かけたときのことである。 皆,廃材を燃やして暖をとっていた。 自分もその中で火にあたっていた。 と,急に風が吹いたのである。 その瞬間,風にあおられて熱風がぶわっと襲ってきたのだ。 家に帰ってみると...見事に,かつらの前髪がちりちりに。 かつらに使われている人工毛は熱に弱い。自毛ならなんでもないような熱でもあっと言う間にダメになってしまう。 修理に2ヶ月 3万5千円なり。 教訓:たき火には気を付けろ |